四国の高知でうどん一筋39年。いろりやネットショップ
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うどんへのこだわり

おいしいうどんが出来るまで

うどんは、小麦粉に塩と水を加えて練りあげただけの単純な食べ物です。
ゆえにそれぞれの素材の味、配合の加減、温度、湿度、タイミング、作り方によって、
味も大きく変わってきます。

単純だけれど、なかなか奥の深い世界。
そんな相手と30年以上も向き合う中で大切にしてきたのは、
ひとつ、素材をよく観察して、それぞれの持ち味を見極めること、
ふたつ、それぞれの特長を活かした組み合わせを納得いくまで徹底的に試してみること、
みっつ、温度や湿度は毎日違うもの、毎日が新しい真剣勝負であることを忘れないこと、
この3点でした。

納得のいくコシとノドごしを求め少しづつ改良を重ね、
時に試行錯誤を繰り返しながら、今日の一杯にたどり着きました。

厳選素材

小麦粉

小麦粉

いろりやでは20年ほど前から、北海道産チホク小麦を使用しています。チホク小麦は香り、甘み、粘り、コシ、ノドごし等すべてにおいてバランス良いことが特長です。

一貫してポストハーベストの心配の少ない国内産小麦にこだわり続け、茨城、栃木、熊本はじめ国内各地の小麦を試した結果、チホク小麦に落ち着きました。

讃岐うどんでよく使われるオーストラリア産ASWは真っ白いのが特徴ですが、チホク小麦を始めとする国産地粉は黄色味がかった明るいクリーム色をしています。いろりやのうどんは、ややクリームがかった太い麺が特徴と言えるかもしれません。

水

生麺の状態で約30%、ゆでた後には約60〜70%と、うどんの大部分は水分で出来ています。つまり、水の良し悪しがうどんの出来を大きく左右するのです。

いろりやでは、20年ほど前から地元である四万十川支流の上流域にある、ブナ原生林近くの伏流水を使用しています。

まろやかな口当たり、弱アルカリ性、豊富なミネラル成分を特徴とするこの超軟水を使った結果、コシを保ちながらもみずみずしいノドゴシのうどん麺が生まれました。また、自然水ではありますが、うどんになった製品は高知県当局の衛生検査もクリアしておりますので、どうぞご安心ください。

塩

1億4千万年前まで海底にあったモンゴルの自然岩塩を使用しています。

海底に沈殿した甲殻類、昆布等のカルシウムやミネラル成分が混ざり合っているため、一般的な海水塩と比べてコクがあり、うどんにより深い味わいをもたらします。

以前は黒潮町内の自然塩製造業者の海水塩を使用していましたが、こちらの塩の方が理想とする食味に近い結果が得られたため、安全性等を十分に確認したうえで切り替えを行って現在に至ります。

出汁(だし)

出汁(だし)

幡多地域最南端に位置する土佐清水市は、黒潮が国内で最初に接岸するなど恵まれた漁場を抱えます。このことから鰹、メジカ(マルソウダ)などの一大水揚げ地であり、それらを加工した 節類の産地としても古くから親しまれてきました。

いろりやでは、昔ながらの製法で作られている土佐清水産の宗田節と高知県産の鰹節を北海道利尻産の昆布と調合し、ゆっくり時間をかけてダシを作っています。


組み合わせの不思議

素材との出会いを振り返ってみると、
チホク小麦は出会った瞬間から使ってみたいと思わせる完成度の高い小麦でした。

しかし、チホク小麦は薄力粉に分類されるパン・お菓子用の品種でしたので、
繊細過ぎるゆえにうどんには不向きということが判明。
いわゆる 『 ゆで伸び(ゆでた後にすぐに伸びてしまう) 』 の原因となる劣化の早さや、
『 発酵の工程 』 で通常より時間がかかるため品質にバラツキが生じやすいことなど、
これまでと同じ作り方では使い物になりませんでした。

開発に乗り出したものの、ダメかもしれないと諦めそうになる日がしばらく続きましたが、
粘り強く試行錯誤を繰り返していく中で、
時間をかけ丁寧に踏み固めて強靭なコシを作ることで 『 ゆで伸びの問題 』 を解決。

『 発酵工程 』 については、四万十川の伏流水を使用したことで一気に解決をみました。
後から判ったことですが、自然水は水道水のように塩素滅菌処理が施されておらず、
良質な発酵を助長するミネラルや天然成分が多く残されていたため、
絶妙な組み合わせとなったのでした。

こうして今を遡ること20年ほど前、
欠点を補って余りある相性の良い小麦と水の組み合わせが誕生しました。
当時、この小麦でうどんが作られていたケースは私どもの知る限り皆無で、
北海道庁農政関連部局の方々が、いろりやまで遠路はるばるお見えになったこともありました。

手仕事の技

素材が決まれば、あとは手仕事です。

国産小麦、天然水、天然塩を練り上げたものを数時間寝かしておくと発酵し始めます。
さらに一晩寝かし続けるとじんわり湿気を帯び、
つきたてのお餅のように輝きながら艶を増してゆきます。
この団子を何度も何度も足で踏み鍛えることで、
コシと粘りのあるうどんが出来上がってゆくのです。

うどん作りにまつわる言葉に 『 土三寒六 』 というものがあります。
これは夏の土用丑の日の頃と冬の寒中の頃を例にとり、
四季の温度変化に対する塩分の調整加減を表した言葉と言われていますが、
長年の経験からすると発酵にかかる時間の違いともとれる言葉ではないかと考えています。

それくらい発酵の工程は見極めが難しく、
同時に材料の配分やコネ加減に目配りが欠かせません。
ゆえに、いろりやではうどん作りの大半の工程を手作業で行っているのです。

1日、30年、1000年

うどんの原型が日本に伝わったのは遥か1000年以上も前、
遣唐使が活躍した奈良時代(※Wikipedia参照)とも言われ、
以降、各地でさまざまな研鑽が重ねられて現在に至ります。

1000年の長きにわたって愛され続けるには、
単にベースとなる小麦のうまさだけではなく他にも理由があるはずで、
いろりやでは、大きく2つあるのではないかと考えています。

ひとつは、うどんが極めてシンプルな食べ物であること。
素材が手に入りやすいこと、作りやすいことが、
各地で食される大きな要因のひとつであろうと考えます。

しかしながら、日本では一年を通じて、
気温や湿度が毎日少しづつ変わりますので、
プロでさえ同じ材料を同じ分量だけ用いて作ったからと言って、
同じ味わいや同じ食感のうどんが出来る訳ではありません。

だから、もうひとつの理由は、
シンプルにして奥深い世界だからこそ、ではないかと考えます。

作る人を魅了する奥深さがあるからこそ、
技や品質、味の向上が1000年の長きにわたって繰り返され、
人を飽きさせることなく進化し続けてきたのではないか。

店主がうどん作りを始めて30年以上になりますが、
振り返ると1日として同じ日はありませんでした。
朝起きたとき一番気になることは、
30年前も今日も変わらず、その日の気温と湿度です。

今日という日が1000年を刻んできた1日であることに誇りを持ちながら、
今日のうどんはどうやろう、おいしく食べてもらえるやろうか?
スタッフ一同そんな思いで、一杯のうどんをお出ししています。

『 おいしかった 』、『 遠いところまで来たかいがあった 』、『 また、来たい 』。
いろりやを支えているのは、お客さまから頂戴するこのようなお言葉です。
うどんをお召し上がりいただき、お感じのことやご質問などございましたら、
どうぞ遠慮なく、お気軽にお声がけください。

今日もうまいうどんをご用意して、お客さまのご来店を心よりお待ちしております。

いろりやスタッフ一同